2009年4月7日
全日本ロードレース選手権開幕戦
************************************************************
全員の好調を確認できた開幕戦
問題点も露呈。解決に全力を尽くす
************************************************************
2009年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦
スーパーバイクレースin筑波
4月5日(日) 茨城県・筑波サーキット(フルコース:2070m)
天気 予選日:晴れ/決勝日:晴れ
************************************************************
GP125(マシン:ホンダRS125R)
ゼッケン3尾野弘樹 予選14位 決勝8位
ゼッケン50尾野軍司 予選23位 決勝15位
ゼッケン26権藤俊光 予選26位 決勝26位
JSB1000(マシン:ホンダCBR1000RR)
ゼッケン36桐井有希 予選13位 決勝16位
************************************************************
2009年の全日本ロードレース選手権が開幕した。今シーズンのバトルファクトリー参戦体制は、まずGP125には尾野弘樹をエースに、尾野郡司、権藤俊光という昨年同様の体制で参戦する。昨年はランキング3位を獲得し、今年はチャンピオンを狙う尾野弘樹、全日本3年目で今年は勝負の年となる尾野郡司、昨年はルーキーながらシリーズポイントを獲得し、さらなる躍進を誓う権藤と、3者とも胸中に秘めるものは大きい。また2年ぶりに国内最高峰クラスであるJSB1000へ復帰し、桐井有希を起用して参戦する。桐井は全日本初フルエントリーだが、レース経験は10年と豊富だ。チームとして今シーズンは全日本JSB1000と鈴鹿8耐参戦、そして全日本GP125のタイトル獲得を目指している。
今シーズンは茨城県・筑波サーキットに開幕の場を移した。例年、筑波では地元関東出身のライダーが強さを発揮しており、バトルファクトリーにとってはアウェイの地だ。今回は開幕戦ということで木、金と2日間にわたり練習走行が行われた。昨年は初日から好タイムをマークした尾野弘樹だが、今年は関東の難所筑波、そうは問屋が卸さず主にサスペンションのセッティングに悩む。他方、尾野郡司は木曜に弟の弘樹とともに走行し、模擬バトルを行った。金曜は思い切ってサスペンションの方向性を振ってみたが、これは失敗に終わった。権藤は十分な走り込みを行い、事前テストで調整したマシンの確認を行った。JSBの桐井は、木曜から走り慣れない筑波を走り込み、金曜はサスペンションを調整した結果、58秒台に入れて上々の結果で土曜の予選に備えた。
土曜の公式予選は時折風が強く吹くドライコンディションとなった。GP125は午前、午後の2回にわたって行われたが、尾野弘樹はチームと相談の結果、サスペンションを高性能タイプからノーマルに戻して予選を走ることを決断した。結果はライダーのフィーリングが向上し、午前中のタイムで総合14位となった。尾野郡司は足回りのセットを元に戻して23番手。一方、権藤はエンジン出力低下というトラブルを抱えて25番手。決勝までに解決すべき問題はあるが、3者とも十分ポイント獲得を狙える位置だ。一方、JSBの桐井は低速コーナー進入時にリアが跳ねるという問題を抱えていたが、予選16番手とまずますのポジションを確保した。
決勝は晴れ渡り、絶好のレース日和となった。筑波は抜きどころが限られており、スタートダッシュが重要になる。まず最初にGP125が行われ、朝のウォームアップ走行で6番手とまずまずの調子を見せていた尾野弘樹は、見事なスタートダッシュを決めて8位でホームストレートに帰ってきた。その後は4~5台による5位争いを展開。集団の先頭に出たい尾野弘樹だったが、足回りを詰め切れていないため厳しいレースを強いられる。中盤には後退する場面も見られたが、終盤に再び順位を上げて8位でレースを終えた。一方で尾野郡司もスタートダッシュに成功。中盤は16位をキープして様子を伺っていたが、終盤に数台抜きを果たし一気に13位まで上昇した。しかしラストラップに無常にもエンジンの調子が落ち、2台に前を許して15位。それでも初戦でシリーズポイントを獲得したことは収穫だ。1週目を22番手で通過した権藤はレースが進むにつれてポジションを上げる。そして21週目にはついにポイント圏内に突入。この時点で尾野郡司と権藤が14-15位体制となりチームも沸いたが、直後に権藤が痛恨のミス。26位で悔しいノーポイントになった。
JSBクラスの桐井は、朝のウォームアップでもリアが跳ねる症状に悩まされており、できるだけの対策をしてレースに臨んだ。しかしレース直前にタイヤマーキングを忘れるという重大なミスが判明してピットスタートを強いられたが、たまたまスタート直後に発生したアクシデントにより赤旗中断となった。これにより仕切り直しのレースは通常のグリッドからスタートできた。2度続いたアクシデントにより何人かのトップライダーがスタート前に姿を消す波乱含みのレースとなったが、桐井はベテランらしく冷静にレースを進め、ポイント獲得圏内をキープ。終盤に1台パスして16位となり、波乱のレースをポイント獲得で乗り切った。
開幕戦でわかったことは、GP125の3人が昨年と比べて格段に成長していることだ。特に尾野郡司と権藤は開幕からポイントに手が届くところにおり、これは昨年の同時期では考えられなかったことだ。これは昨年1年間、チームとライダーが一丸となってやってきたことの成果と言える。しかし同時に課題も見えた。チャンピオンを狙うと公言している尾野弘樹にとって、開幕戦の出遅れは痛い。全6戦のスケジュールでは出遅れは命取りになる。次のオートポリス戦までに確実に問題を解決して巻き返しを図りたい。またタイヤマーキングミスは、久しぶりの全日本JSB参戦という事情はあったものの大いに反省すべき点だ。今後はチームとして、これら課題を解決すべく全力を尽くす。 |