伊達悠太が大逆転劇を見せ、筑波以来のシーズン2勝目をマークする
(MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦 MFJスーパーバイクレースin 九州)

日時:2017年6 月24日(土)~25日(日)
大分県オートポリスインターナショナルレーシングコース(1周4,674km)

全日本ロードレース第5戦は、九州は大分県にあるオートポリスが舞台となる。レース一週間前に行われた事前テストではドライコンディションで好タイムを記録していた伊達悠太。しかし、公式予選が行われる予定だった24日は大雨と濃霧により公式予選がキャンセルされるなど、大荒れのレースとなったが、決勝では6番手グリッドからスタートすると、圧巻のパッシング劇をみせて見事優勝した。

公式予選順位:6位
決勝レース順位:1位

 公式予選レポート
本来、24日に行われる予定だった公式予選は朝からサーキットを覆った濃霧、そして梅雨前線の影響による大雨により、スケジュールが大幅に遅れ、JSB1000クラス以外は公式予選がキャンセルとなった。そのため、J-GP3クラスの公式予選は25日朝に予定されていたフリー走行を公式予選に変えて行われることとなった。
 迎えた公式予選。開始直前まで雨が降り続きウエットコンディションでスタートするが、J-GP3クラスの公式予選が始まる頃から、その雨脚は弱くなり始める。予選序盤は小室旭選手、長谷川聖選手、古市右京選手に次ぐ4番手につけた伊達。予選中盤には小室選手、宇井陽一選手に続く3番手となるが、雨も小康状態となり、各車がタイムを上げる中、伊達は思うようにタイムを上げることが出来ず、予選終盤に記録した2分12秒242がベストタイムとなり6位となる。これにより決勝レースは2列目の6番手グリッドからのスタートとなった。

 

  ◎決勝レースレポート
公式予選を終え、2時間後に行われた決勝レースは2周減算の13周で争われることとなった。前日夜から降り続いた雨もこの時までには止み、路面は徐々に乾いていく。決勝スターティンググリッドに向かうサイティングラップ、伊達悠太はレインタイヤでコースインするも、グリッド上でスリックタイヤに交換。他の選手もスリックタイヤに交換して決勝レースはスタートすることとなった。
 決勝レース、6番手からスタートした伊達は、オープニングラップは8番手で通過する。トップはポールポジションからスタートした小室旭選手を先頭に、宇井陽一選手、古市右京選手、長谷川聖選手の4人がトップ集団を形成。伊達はこの先頭集団から少し離されたセカンドグループにいるも、5周目までにはこの集団を抜け出し5番手にポジションアップしトップ集団を追い、8周目までにこの集団の後方につける。伊達はそのままの勢いで第2ヘアピンでは2台を一気にパスするなど、9周目に前を走っていた4台を僅か1ラップのうちにごぼう抜きしてトップに立つ。10周目のストレートで古市選手にパスされるものの、第1ヘアピンまでに抜き返し、そして2番手以降を引き離していく。
 しかし、11周目にはランキングを争う小室選手が、古市選手らをパスしながらファーステストラップで2番手まで順位を上げ伊達の背後につく。残り2周は2人のマッチレースとなった。一旦前に出た小室選手を伊達は第1ヘアピンでパス。しかし、ラストラップとなる13周目、1コーナーで小室選手が伊達をパスしてトップに。伊達は第2ヘアピンで小室選手のインを突いて、トップを奪い返す。しかし、その先のジェットコースターストレートエンドで、小室選手が伊達のインに飛び込むが、クロスラインで伊達がトップを死守。このまま伊達は小室選手を抑え切りトップでチェッカーを受け、開幕戦の筑波サーキット以来となる優勝を果たした。
これにより、ポイントランキングは92ポイントとなり、小室選手を1ポイント上回りランキングトップとなる。また、若手ライダーの育成を目的としたユースカップでも2位に大きく差をつけてランキングトップを維持する。なお、J-GP3クラスの次のレースは9月30日、10月1日に行われる第8戦の岡山国際サーキットとなる。

 
       

※決勝レース後のコメント
「雨が苦手というわけではないのですが、ウエットコンディションの予選では思うようにタイムを出すことが出来ませんでした。そのため、スタート位置が悪く、スタートも失敗してしまい、レース序盤は中段グループ内に飲み込まれて順位を下げてしまいましたが、気持ちを切り替えてプッシュしました。
難しいコンディションでしたが、自分のペースで走ることができトップ集団に追いつくことが出来ました。ちょうどトップ集団内でバトルをしていたこともあって、レース中盤に一気にその差を詰めることができ、トップに立つことができました。最後に小室選手も抜くことができ、開幕戦の筑波以来の優勝が出来て、とてもうれしいです。ランキングもトップに返り咲くことができ、前半戦を終えることができたので良かったです。後半戦の2戦もこのままの勢いでチャンピオン獲得を目指します。」