【取り付け作業】
RC30のブリーザー関係は写真1のようになっています。1がメインのブリーザーで、2がエアクリーナーボックスへつながるパイプです。
3がブリーザータンク下部からのパイプで、リヤバンク左右エキゾーストポートのちょうど間から出た細いパイプ(オイルリターンパイプ)につながっています。
永冶さんからコントローラーを取り付けるポイントは、大気と繋がっている2番のエアークリーナーに近いところに(左側に保護チューブ終わりの当たり)とのインストラクションをうけ、作業にかかりました。写真2が取り外したパーツの写真ですが、なにぶん20年ものの樹脂&ゴムパーツのためかなり劣化が進んでいました。パーツを注文しましたが、もっとも劣化していた(リヤバンクのエキパイ近くを通るから当然)パイプ3が欠品という事で、代替品を探すのに手間取りました。ブリヂストン製の耐油耐熱ホースを使用していますが、オイルリターンパイプ側のにあわせた口径(9.5ミリメートル)をブリーザータンク側に差し込むには結構苦労することになります。
内圧コントローラー本体(14φストリート用)は、写真3にあるように、パイプ2を切断することなく、本来エアクリーナーボックスにつながる端に取り付け、そこから短いパイプ(念のためパイプ2は2本注文していたので、もう一本から切り取った)を介してボックスにつなげてあります。コントローラー本体をなるべく垂直に取り付けたかったためと、コントローラー本体を取り外せば容易にノーマルに戻して比較できるようにするためです。ただし、キャブのチョークの可動部のすぐ脇をパイプが通る事になるので、接触を避けるような取り回しにする必要があります。RC30はスペース的に非常にタイトなバイクですが、この点にさえ気をつければ装着自体は容易だと思います。
【走行インプレッション】
走り出してすぐに気づくのは、振動が減った事です。RC30には非常にピッチの細かい硬質な振動があり、エンジンの存在感が大きいのですが、エンジンが一歩引いた感じになると言えば良いでしょうか。
ハンドルグリップ、ステップラバーから伝わる微振動も減っているようです。ただし、鼓動感は残っていますし、エンジンが「フケる」感じはかえって強くなっているように思えました。
エンジンブレーキに関しては、ギヤ比が高くバックトルクリミッターもついているためか、アクセルを戻した直後、シフトダウン直後の感じはあまり変わらないような印象を受けましが、そこからさらに空走していくと、確かになかなかスピードが落ちないようです。この「余分に走る感じ」がつまりポンピングロスの低減等による効率の向上分なのでしょうか。
RC30には5000回転あたりにトルクの谷があります。バイクの性質上、使わなければ良いといえばその通りなのですが、3速あたりで、比較的流れの良い一般道を走ったり、6速で高速道路を淡々と巡航する時には結構使う回転域でもあります。トルクが一番痩せたところで走るのはなんだか落ち着かないものですが、それがほとんど気にならなくなりました。総合的に見て一番嬉しかったのはこの点です。
360°クランクV4という構成上、ポンピングロスが大きいであろう事は推測されます。レース用のRC30のエンジンは、ブリーザーが増設されていましたし、ノーマルエンジンでも、ブリーザーを大気開放すれば、簡単に3~4馬力UPするなどと言われているようですが、大気中に有毒ガスを放出すること無しにポンピングロスを低減させる方法として、内圧コントローラーは非常に優れているように思われました。
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